麹ウィスキーをご存知でしょうか?
その名の通り、米麹をつかったウィスキーです。
通常ウィスキーは麦芽を使ったものとされています。日本の酒税法でも、麦芽を使ったものをウィスキー、麹を使ったものを焼酎とするという分類があるほどです。
なので、日本国内では、麹をつかったものはウィスキーとしては販売することができないのが現状です。
では、なんで今更、麹ウィスキーなのでしょうか?
アメリカでは麹ウィスキーが日本のウィスキー
米国のウィスキー専門書(A Field Guide to Whiskey 2017)には、『日本のウィスキーの特徴は麹を利用している点』にある。と記載されています。
海外でのジャパニーズウィスキーの認識は麹を使ったものが、日本のウィスキーだと思われています。
ライスウィスキーとして、日本では見ることがない、ジャパニーズウィスキーが海外で売られています。麹ウィスキーとして販売できるからくりも以下の記事に記載があります。
法律が違えば、ウィスキーとして販売できるんですね。なので、日本の醸造所はふるって海外用に麹ウィスキーを生産しているのが現状です。
日本は麹の文化
日本は麹の文化なんです。
醤油・味噌・みりん・鰹節
調味料としては知っているものばかりですね。
それだけ、麹を身近で使っているのが、日本人なんです。
日本酒・焼酎も麹を使ったお酒です。なので、麹を使ったウィスキーが日本のウィスキーだというアメリカの見解もわかりますね。
麹ウィスキーを始めたのは高峰譲吉
麹ウィスキーの歴史を辿ると、外せないのが高峰譲吉です。
以下のように高峰譲吉が麹ウィスキーの特許を持っているのです。
1887 (明治20)年にウイスキーの国イギリスで「(麹による)酒精製造法特許」を取得します。
1888(明治21)年には、同じくフランス、ベルギーでも特許を取得する
1889(明治22)年には、アメリカでも特許を取得する
実は麹によるウィスキーは長い歴史があるんですね。
ただ、日本で販売に至らなかったのは、日本の酒税法にあります。
- 焼酎は麹
- ウィスキーは麦芽
という、酒税法だけで、縛られているのが現状です。
麹を使ったウィスキーが日本でも販売できるようになれば、現在の国産ウィスキー不足も解消されるのになーっと思います。
麹ウィスキーの一例
ホワイトオーク樽にて熟成することによって、綺麗な琥珀色になっています。
これが日本のウィスキーだと主張しているようですね。
東京のホテルのバーなどでも採用されているところがあるようです。
まとめ
日本の文化に寄り添った、麹ウィスキー、これから流行るのではないでしょうか。
海外ではすでにブームになっています。
また、酒税法で焼酎・ウィスキーの区別が変われば、日本のお酒文化もまた大きく変わることでしょう。
個人的には日本らしいお酒を海外にどんどん発信して、海外へジャパンの良さを表現できるような、そんなものがたくさんできたらいいなと思います。