インフルエンザウィルスには市販マスクで予防することはあまりおすすめできません。
厚生労働省もマスクがインフルエンザを予防することにはならないと言っています。
不織布(ふしょくふ)製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ 飛沫がある程度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。
よって、咳や発熱等の症状のある人に近寄らない(2メートル以内に近づかない)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防策を優先して実施することが推奨される。
基本的には
- インフルエンザが流行っている時は外に出ない。
- 症状がある人に近寄らない。
- 手指を清潔に保つ。
この3つが大事なんですね。
なぜ、インフルエンザはマスク予防がおすすめできないのか?
まずは市販のマスクではウィルスを完全に止めることができないからです。
通常のマスクだと、まず、アゴと鼻のところから空気が入ってしまいます。
また、市販のマスクの場合は通常5μm以上のものしか除去することはできないので、インフルエンザ感染者の唾液などに含まれて飛沫したしたものは予防できますが、それ以外のウィルス単体では除去が難しいのです。
インフルエンザウィルスの大きさは0.1μm以下になります。
インフルエンザA/B/C型の大きさは0.098μmです。
もしも、浮遊しているインフルエンザウィルスの感染予防を考えるのであれば、医療用に使用されるN95マスクくらいしかないでしょう。
N95マスクとは、0.3μm以上の微粒子※を95%以上遮断し、かつ着用している部分からの空気の漏れ率を10%以内に抑える機能のあるマスクです。
※ここでいう0.3μmとは動力学的質量径(粒子の密度を考慮した数値)であり、数量中位径(実際の粒子の大きさ)で表すと0.075μmとなります。
N95のマスクは市販もされていますが、約1枚が120円くらいします。
また、医療機関ではマスクのフィットテストがあります。※医療従事者のためのN95マスク適正使用ガイドより
なので、一般で使うのは少し難しいのではないでしょうか?
市販のマスクでも良いポイントはある
市販のマスクでインフルエンザウィルスの除去は難しいですが、マスクをつけて置くことで、口腔内の乾燥が抑えられます。
インフルエンザウィルスは湿度にあまり強くはないので、口腔内の乾燥を抑えることで、ウィルスの活性化を防ぐことは可能になるはずです。
そういった面ではマスクをつけておくことで、予防にならないことはありません。
まとめ
- 市販のマスクではインフルエンザウィルス自体を除去することはできない。
- インフルエンザを予防するには『人混みに行かない』『症状がある人に近寄らない』『手をよく洗うこと』が大事。
- N95のマスクもフィットテストをしないと使用が難しい。
- マスクをすることによって、口腔内の乾燥が防げるのは予防に繋がる。